テーマ:教師教育と授業
第35回研究大会実行委員会は、大会テーマを次のように設定した。「教師教育と授業」である。授業のことを一切考えずに教師教育のことを考えるのは不可能である。教師の仕事は教育である。教育の代表的な方法が授業である。だから、教師教育のことを考えるときには、常に何らかのかたちで授業のことを考えているはずである。しかし、授業のことが常に思考の前面に現れているとは限らない。思考の背後にかくれているかもしれない。
大会テーマを「教師教育と授業」に設定した理由は、「授業」を参加者の思考の前面に出していただきたいからである。「授業」を意識して「教師教育」を研究していただきたいからである。大会実行委員会は、このような願いを込めて大会テーマを設定した。
「教師教育と授業」という場合、「授業」の語には二重の意味が生じる。第一に、〈教師教育の内容としての授業〉という意味である。教師教育を担う教師が授業を教えるのである。「授業を教える」というのは、「授業」が教育内容であるということである。第二に、〈教師教育の方法としての授業〉という意味である。教師教育を担う教師が授業で教えるのである。「授業で教える」というのは「授業」が教育方法であるということである。
このように、教師教育の場における授業には、授業を授業で教えるという二重性がある。言いかえれば、教師教育における授業は「授業を教える授業」なのである。したがって、「授業を教える授業の在り方を問う」研究は、教師教育研究の中心領域をなすはずである。しかし、過去の研究大会においては、「授業」の語を含む大会テーマが掲げられたことがなかった。今回初めて「授業」の語を含む大会テーマが掲げられたわけである。「授業」についての問題意識を参加者に共有していただければ幸いである。
以上のように大会テーマを設定することの意義を別の観点から述べる。教育学の世界では「研究者」と「実践者」という語がよく用いられる。大学教師を念頭に「研究者」と言い、幼小中高教師を念頭に「実践者」と言っているようである。日本教師教育学会も例外ではない。しかし、日本教師教育学会はその例外であるべきである。教師教育を研究する場であるのだから当然のことである。大学教師の「実践者」としての側面(大学の授業を実践する者としての側面)をもっと自覚すべきである。また同様に、幼小中高教師の「研究者」としての側面をもっと自覚すべきである。そうすれば「研究者」と「実践者」とを分けて論じているときに自明の前提とされていることが、実は自明ではないことがわかるはずである。本大会の大会テーマにはこのような問題意識も含まれている。
シンポジウムには、大学の教員養成課程における自らの授業実践を論文・著書で論じてこられた研究者に御登壇いただくこととした。大村龍太郎会員(東京学芸大学)、根岸千悠会員(京都外国語大学)、百合田真樹人会員(独立行政法人教職員支援機構)、鈴木慶子氏(長崎大学)の4名である。
開催概要
名称 | 日本教師教育学会 第35回研究大会 |
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主催 | 日本教師教育学会 |
会期 | 2025年9月20日(土)・9月21日(日) |
会場 | 宇都宮大学 峰キャンパス(321-8505 栃木県宇都宮市峰町350) |
日本教師教育学会 第35回大会実行委員会
委員長 | 上原秀一(宇都宮大学) |
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副委員長 | 丸山剛史(宇都宮大学) |
事務局長 | 小野瀬善行(宇都宮大学) |
委員 | 尾崎承子(宇都宮大学),小原一馬(宇都宮大学),田所貴大(宇都宮大学),外池彩萌(筑波大学大学院生) |
交通案内
■JR宇都宮駅西口からのアクセス
・関東バス(14番乗り場) 真岡行、益子行、ベルモール行、星の杜中学校・高等学校行
乗車約6分 「宇都宮大学前」下車 徒歩1分
■JR宇都宮駅東口から
・関東バス(3番乗り場)卸団地循環線、ベルモール行、星の杜中学校・高等学校行
乗車約6分 「宇都宮大学前」下車 徒歩1分
・LRT 全ての便
乗車約6分 「峰」下車 徒歩12分 (道案内動画はこちら)
・タクシー約5分
大会会場案内図

- 16 4号館A棟
- 17 4号館A棟
大会日程

研究大会までの主なスケジュール
4月1日 | 大会ホームページ公開 |
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4月上旬 | 事前参加申込 開始 自由研究発表・ラウンドテーブル 発表申込 開始 |
4月下旬 | 英語による特設セッション発表申込 開始 |
5月31日 | 発表申込〆切 発表希望者の学会費(2025年度年会費)振込〆切 |
7月31日 | 自由研究発表・ラウンドテーブル発表『発表要旨集』原稿〆切 |
8月中旬 | 大会プログラム公開(ダウンロード)開始 |
8月30日 | 会員の参加希望者の学会費(年会費)振り込み〆切 事前参加申し込み〆切 |
9月中旬 | 『発表要旨集録』ダウンロード開始 |
9月20~21日 | 第35回研究大会 |
研究大会災害等への対応について
研究大会時の災害等への対応については、以下のPDFファイルでご覧いただけます。
連絡先
第35回大会実行委員会事務局
〒321-8505 栃木県宇都宮市峰町350
宇都宮大学⼤学
委員長:上原秀一
副委員長:丸山剛史